モンゴルのむかし話

モンゴルのむかし話」が生まれるまで


      私たちはモンゴル語の勉強を続けながら、この9年間、夏と冬のモンゴルを旅行しました。ウランバートルに住む知人のアパートや、遊牧民のゲルにホームステイをさせてもらい、日頃の勉強の成果に、一喜一憂しています。

 3年前の夏、ウランバートルの露天書店で手に入れた、一際、色彩華やかな民族衣装の絵表紙「モンゴルの民話と伝統」の本に心が踊り、いつか、日本の子どもたちに話してあげたいという目標と共に、新たな翻訳の勉強が始まりました。

 モンゴルの昔話の発想は、痛快で、マジックで、想像を遥かに超えた世界を展開してくれる話がいくつもあります。そして、権力者(王様、動物、魔物)に、弱い立場(子ども、小動物)が思い書けない知恵を得て、勝負に挑む逆転の妙は、めでたし!めでたし!で終わると、ほっと微笑みが浮かんできます。

 翻訳に当たって、「東京モンゴリアンアカデミー」の言語学者チメグバートル先生(現、帰国)に助言と習慣、生活様式、専門用語など、原文を正確にとらえることができました。

 こうして、翻訳されたお話の中より、25の「話しがPHp研究所より一冊の本になりました。

 多くの人に渡り、読んで頂けることを願っています。


藤原道子
桑沢デザイン研究所グラフィックデザイン専攻科卒業。星条旗をモチーフに個展「123の仮面展」(渋谷西武)開催。NHK教育テレビ子ども番組の仮面を制作。